SNS中傷の対策訴え 伊是名さんら法整備求め署名活動


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国会内でSNSの中傷被害を訴える伊是名夏子さん=11日、東京

 【東京】ツイッターなどの会員制交流サイト(SNS)で、誹謗中傷の被害を受ける女性が絶えない現状を受け、車いすで生活するコラムニストの伊是名夏子さんらが11日、国会内で会見し、被害救済のためのウェブサイト「Online Safety For Sisters(オンライン・セーフティー・フォー・シスターズ)」を立ち上げることを発表した。国に、SNS事業者に中傷被害を防ぐ対策を義務づける法律の制定を求めるオンライン署名を呼び掛ける。

 伊是名さんは4月、神奈川県内のJR駅で、駅員に介助が必要であることを理由に無人駅の利用を断られたトラブルをブログにつづったことがきっかけで、ネットの中傷被害を受けた。

 「社会に迷惑」「税金の無駄遣い」。匿名の相手から暴言を浴びせられた日々を振り返り、「生活がずたずたにされ、集団リンチにあったような気持ちになった」と声を落とした。「ヘルパー制度を不正利用している」といったデマも拡散され、現在までにツイッター上でのデマや中傷は、4万5千件以上、大手ポータルサイト「ヤフー」のコメント欄には約8千件の書き込みがあったという。

 会見には、#KuTоо運動で知られる俳優でアクティビストの石川優実さん、市民活動家の菱山南帆子(なほこ)さんも参加した。女性の権利向上のために活動する2人も同様の被害にさらされた経験があり、石川さんは「声を上げないと現状は変わらない。誰でも声を上げられる環境を整えることが大事だ」と訴えた。署名活動と共に被害に遭った女性の支援者の育成などにも取り組む。

 伊是名さんは「女性が安心してSNSを利用できる社会の構築を」と力を込めた。
 
 サイトはhttp://onlinesafetyforsisters.com/