「政権評価」巡り対立 衆院沖縄2区紙上討論 宮崎、新垣氏が論戦


この記事を書いた人 Avatar photo 山城 祐樹

 19日公示、31日投開票の衆院選に向けて、琉球新報社は16日までに、沖縄2区から立候補を予定する現職の宮崎政久氏(56)=自民、新人で前北中城村長の新垣邦男氏(65)=社民=による紙上討論を開催した。宮崎氏が感染症対策などの自公政権の実績を強調したのに対し、新垣氏は新基地建設を強行する政府への批判を展開した。政権評価を対立軸に、基地から派生する事件事故の防止策、沖縄振興の方向性でも考え方に違いが出た。 

 2区は米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市が選挙区にあり、基地問題への有権者の関心も高い。

 宮崎氏は普天間の危険性除去は「県民にとって1分1秒でも早く解決しなければならない課題」として、辺野古移設はやむを得ないと容認姿勢を示した。

 新垣氏は「『辺野古は唯一の解決策』と決めつけるのは政治の怠慢だ」と指摘。代替施設を県内に置く地政学、軍事的な必然性や合理性はないと訴えた。

 争点について、宮崎氏は新型コロナウイルス対策を挙げ、与党の議員として「沖縄の特性を踏まえた政策提言を進めた」と実績を強調した。新垣氏は名護市辺野古新基地建設を強行する政府を批判し「民意をないがしろにしてきた安倍・菅政治の総括」を掲げた。

 憲法について、宮崎氏は大規模災害時における「緊急事態条項」創設など、時代に即した見直し議論の必要性を指摘した。新垣氏は護憲の立場を強調し、9条以外から先行して議論を進めようとする「お試し改憲」をけん制した。