10月17日は「沖縄そばの日」。創業55年を迎えた名護市我部祖河の沖縄そば店「我部祖河食堂本店」の厨房(ちゅうぼう)に立つのは創業者の金城源治さん(92)だ。
「『おいしかったよ』と言われたときが何よりうれしい」。定休日の月曜日を除き、午前10時から午後3時頃まで毎日厨房で自社製品の麺とじっくり煮込んだソーキを盛り付ける金城さんは元気はつらつだ。
30歳で脱サラし、生まれ育った我部祖河で精肉鮮魚店とまちやぐゎー(雑貨店)を営んでいたところ、売れ残ったソーキを活用するため発案したのが「ソーキそば」だった。
廃棄していたソーキをなんとかできないかとそばに盛り付けて子どもたちに食べさせてみると好評だった。1966年に我部祖河食堂を始め、高級食材だったソーキが乗った新メニューを25セントで販売し始めると、たちまち話題に。フードロス(食品廃棄)の削減のためのアイデア商品は「元祖ソーキそばの店」の看板商品として県内外に多くのファンを持つ。
金城さんは「お客で店がいっぱいになっているのを見たら元気になる。できる限り現役を続けたい」と笑顔を見せた。
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