沖縄文化協会賞、3氏決まる 山本、鈴木、平井氏が受賞


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 沖縄文化協会(波照間永吉会長)は18日、沖縄学の若手研究者を対象にした「沖縄文化協会賞」(三賞)の受賞者3人を発表した。比嘉春潮賞に県立博物館・美術館主任学芸員の山本正昭氏(47)、仲原善忠賞に県立芸術大学芸術文化研究所准教授の鈴木耕太氏(42)、金城朝永賞に中部大学准教授の平井芽阿里(めあり)氏(40)が選ばれた。

 山本氏は考古学で「グスク研究における『隔離空間』論の提起とその分析」が評価された。戦争遺跡も調査しており「近代の戦争で新たな歴史像に結びつく成果を挙げつつある」などと選考で認められた。

 鈴木氏が受賞した成果は「組踊を中心とする芸能史研究」。先行研究の知見を受け継ぎ、組踊を「近世の冊封儀礼」にとどめず「今に息づく芸能」として捉え、自ら新作組踊を創作し、第1回新作組踊・戯曲大賞の佳作を受賞した点も評価された。

 平井氏の研究は「宮古島西原を中心とした村落祭祀の研究」。村落祭祀研究で神役個人の実践や生活に焦点を当て「沖縄の文化人類学的・民俗学的研究を著しく発展させた」と評価された。

 受賞者3人の研究発表と授賞式が11月20日午後2時半から午後7時半まで浦添市のアイム・ユニバースてだこホールの市民交流室で行われる。新型コロナウイルスの影響などで変更する場合は同協会ホームページで随時、報告する。

 問い合わせは同協会(電話)098(887)2652。