沖縄県宮古島市城辺保良の陸上自衛隊保良訓練場への地対艦・地対空ミサイルなどの弾薬搬入を巡り、防衛省は14日、海上自衛隊の輸送艦で宮古島に弾薬を運び入れた。
午前7時34分に海自の輸送艦が平良港=市平良=に着岸した。平良港からは陸路で約20キロ離れた保良訓練場に運び込む。防衛省は今年6月に保良訓練場への弾薬搬入を開始し、空路で少量の弾薬を同訓練場に運び入れている。
ミサイル搬入に反対する市民らは平良港で「島に武器を持ち込むな」などと抗議の声を上げた。
保良訓練場は市上野野原の陸上自衛隊宮古島駐屯地に配備されている地対艦・地対空ミサイル部隊の弾薬を保管する目的で2019年から建設が始まり、21年4月までに建設予定3棟のうち2棟が完成した。
一方で、同訓練場建設地の土地所有権を巡る問題もある。防衛省から依頼を受けて訓練場建設地の土地取得を進める市内の採石業者が地権者の相続人を相手取って提訴。福岡高裁那覇支部(二審)は今年10月、一審の那覇地裁平良支部判決を支持し、争いのある土地のうち1カ所で業者の所有権を認めない判決を出した。
保良訓練場は保良集落に隣接している。自然災害や人的事故、有事の際などの住民の避難計画は国から住民に明示されていない。14日までに複数の市民団体が「市民に十分な説明もないままの強行搬入を認めるわけにいかない」と抗議声明を出している。
▼【深掘り】南西諸島で加速する陸自ミサイル配備 その背景は?