鳩山氏「前時代的な発想」南西諸島の自衛隊強化を批判 「台湾有事」めぐり宮古島で講演


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タウンミーティング前に会見する東アジア共同体研究所の鳩山由紀夫理事長(中央)と高野孟氏(左)、須川清司氏=12月17日、宮古島市城辺の城辺公民館

 【宮古島】東アジア共同体研究所(鳩山由紀夫理事長)は12月17日、宮古島市でタウンミーティング「台湾有事どうなる宮古島~南西諸島の現状と宮古島ミサイル配備を考える~」を開いた。市民約50人が参加し、ミサイル配備や「台湾有事」による島への影響について意見を交わした。

 東アジア共同体研究所から鳩山理事長と同研究所理事でジャーナリストの高野孟氏、元内閣官房専門調査員の須川清司氏の3氏が来島。市民との意見交換を前に3氏が講演した。鳩山氏らは国が進める南西諸島への自衛隊配備強化について「前時代的な発想を基に展開されている」と批判し「必要ない」と強調した。

 仮に台湾有事となり、米中が開戦した際は、双方ともミサイルを保有しており段階的に緊張が高まるのではなく「一気に交戦状態に突入する可能性が高い」と指摘した。その上で「真っ先に中国の攻撃対象となるのは沖縄の在日米軍基地や宮古島などの自衛隊ミサイル基地、レーダーだ」として「島にミサイルがあるゆえに危険にさらされることになる」と強調した。

 3氏はミーティングの前に陸自宮古島駐屯地=市上野=や弾薬庫がある保良訓練場=市城辺、空自宮古島分屯基地=市上野=を視察。3氏は保良集落と弾薬庫の距離が「近すぎる」と警鐘を鳴らした。高野氏は「集落の中に弾薬庫があるといった方がいい。あり得ない距離で常軌を逸している」と指摘した。(佐野真慈)


 

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