経済活動制限に疑問の声 沖縄県と経済界、まん延防止要請巡り対策会議


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新型コロナウイルス対策に関する経済対策関係団体会議で、経済関係者とオンラインで会議する玉城デニー知事=5日、県庁

 沖縄県は5日、新型コロナウイルスに関する対応を産業界と話し合う経済対策関係団体会議をオンラインで開き、まん延防止等重点措置を国に要請する方針について意見を求めた。参加者からは、要請に対して直接的な反対意見は上がらなかったが経済活動を制限することの必要性に疑問が出たほか、十分な補償を求める声が上がった。

 県は重点措置対象区域内の飲食店に対し、時短営業などの要請をする。協力金は国の方針に基づき、感染対策の要件を満たした認証店には1日2万5千円以上、非認証店には1日3万円以上とする方針を示した。

 認証店は営業時間が1時間長く、酒類の提供も認められることから金額に差がある。しかし、感染拡大で客足が落ちると想定され、認証店からは反発が強い。県飲食業生活衛生同業組合の鈴木洋一理事長は「同額にしてほしい」と求めた。組合加盟店舗から「認証を取らない方が良かった」などの声が多数寄せられているとして、「このままでは受け入れがたい。認証を返上する店が出てこないか心配だ」と懸念した。

 観光への影響も想定される。沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は「県内の感染が中心なので、沖縄への渡航自粛のメッセージは控えてほしい。米軍関係者の基地外への移動は控えるよう強く打ち出してほしい」と話し、観光業界から意見収集する場を早急に設けるよう訴えた。

 石垣市では、24日の石垣島マラソンに伴い、島外から2500人の宿泊予約が入っている。参加者全員へのPCR検査受診で対策を図る方針という。八重山ビジターズビューロー会長の中山義隆市長は「中止になると約5千人泊が一気に吹っ飛んでしまう。重症者などの数ではなく(新規陽性者の)数だけで判断するのか」と質問した。

 県の糸数公医療技監は「入院率が50%を超えると措置が必要。入院率が上がってからの措置では手遅れになるため、新規感染者数が増えると抑制をお願いしないといけない」と説明した。(中村優希)