沖縄薬物摘発226人最悪 未成年が急増、汚染深刻化 21年県警まとめ


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 沖縄県警は6日、2021年の県内薬物事犯摘発者数が226人だったと発表した。日本復帰後の混乱期を除いた1975年以降で最悪となった。20代が最多の91人で、未成年の摘発者数は前年比で17人増の43人に急増するなど、県内における薬物汚染が深刻化している。

 摘発者を年代別でみると、最多が20代の91人で全体の40%を占めた。次いで30代の47人(21%)、10代の43人(19%)と続いた。10代の摘発者は、20年は26人だったのに対し、21年は43人と急増した。

 10代摘発者を薬物別でみると、大麻が36人で最も多く、覚醒剤が5人、麻薬などが2人だった。覚醒剤と麻薬などに関しては、20年はそれぞれ0人だった。大麻をきっかけに、より危険性の高いハードドラッグが広がり始めている可能性がある。

 全体の摘発者を薬物別でみると、大麻が149人で66%を占める。次いで覚醒剤が57人(25%)、麻薬などが19人(8%)だった。九州における薬物事犯の摘発者数は、沖縄県は福岡県に次いで多かった。

 捜査関係者は、少年事案が急増している状況などを踏まえ、「県内で違法薬物がまん延している、と言われても否定できない」と話す。県警は、違法薬物の捜査に当たる人員を増やすなど、体制を強化しているが、摘発できたのは「氷山の一角」という。薬物がまん延している県内の状況に捜査力が追いついていない可能性もある。 (友寄開)