「里子の一時保護先、元里親に」 原告夫婦がネットで署名募る


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 生後2カ月から養育している児童(5)の里親委託を児童相談所が一方的に解除し、里親から引き離すのは、里子に大きな精神的ダメージを与える違法な対応だとして、那覇市の夫妻が県を相手取り、引き渡しの差し止めを求めた訴訟を巡り、原告の夫妻は10日までに、児童の一時保護の委託先を夫妻のもとにするよう求める署名活動をインターネット上で始めた。

 夫妻は小橋川学さん(56)、久美子さん(55)。児童福祉法上、里親委託は親権者の同意が必要で、実親が委託の同意を撤回していた。児相は4日、児童を小橋川さん宅から引き取り、一時保護。5日付で里親委託を解除した。

 小橋川さん側によると、児童は5年以上、夫妻の下で育った。発達障がいがあり、医師の助言もあって、実親ではないと知らせる「真実告知」をしていなかった。実親に引き渡す場合は、児童の特性を考え、告知や面会に時間をかけるべきだと主張。実親の同意が撤回され、一時保護がやむを得ないとしても、引き続き委託先を夫妻にするよう求めている。

 小橋川さんは「私たちの家で生活し、安定した状態で実親との交流を進めていってほしい」と話した。署名は「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で受け付けている。