琉球人の遺骨持ち出し報じた新聞 1929年の琉球新報現物を展示 ジュンク堂那覇店


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京都大学が琉球人遺骨を持ち出したことを伝える1929年1月26日付「琉球新報」記事の原紙

 古書店が貴重な本や資料を展示・販売する第5回ジュンク堂新春古書展(全沖縄古書籍商組合主催)が29日から那覇市のジュンク堂書店那覇店で開かれる。3月6日まで。昭和初期に京都帝国大学の研究者らが今帰仁村運天の風葬墓「百按司(むむじゃな)墓」などから遺骨を持ち出した際の記事を掲載した1929年1月26日付「琉球新報」の原紙も展示・販売する。

 1929年1月26日付「琉球新報」の電子コピーは県公文書館が所蔵している。原紙は現在の琉球新報社にもなく貴重とされる。琉球人の遺骨が持ち出された状況について「京大人類学科の一角に/骸骨の琉球人部落出現」などの見出しで紹介している。遺骨については現在、京都大へ返還を求める訴訟も起きている。しかし、当時の記事では「學界(がっかい)への奉仕」などの表現もみられ、問題視する記述は確認できない。

 同展では中国の冊封副使・徐葆光が1719年に琉球を訪れた際の記録をまとめた「中山伝信録」も販売。同書は中国や日本で印刷物として発行されてきた。2019年の首里城火災で、1766年(明和3年)に発行されたとみられる「中山伝信録」が焼失した。今回販売するのは同時期に発行されたものとみられる。

 問い合わせはジュンク堂書店那覇店(電話)098(860)7175。
 (古堅一樹)