「沖縄から放たれる光のシグナル描けたら」 藤田貴大さん作・演出の演劇が、なはーとで公演 2月4日から


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「Light house」の出演者(岡本尚文さん撮影)

 那覇文化芸術劇場なはーとと劇団「マームとジプシー」の共同制作による演劇「Light house(ライトハウス)」(藤田貴大作・演出)が2月4~6日、那覇市の同劇場で上演される。演劇「cocoon(コクーン)」で沖縄戦を描いた藤田が、沖縄の日常を描く。

 藤田は2012年、「コクーン」の創作で初めて沖縄を訪れた。その後も沖縄に通い、「沖縄の日常や今の問題を描けないか」と考え続けていたという。

 「ライトハウス」はある家族を中心に、離島や地下水路のある街を舞台に物語が進む。藤田がワークショップで訪れた本部町の水納島などで水の確保に苦労してきた歴史などに触発され、「水の流れ」も重要なモチーフとした。

オンライン取材に応じる藤田貴大=25日

 藤田は「基地問題一つとっても、沖縄だけが考えなきゃいけない問題みたいになっているのが寂しい」と語る。この作品では「沖縄にも普通の生活があって東京と変わらない」と描きつつ、米軍機のごう音など「普通じゃないところ」もちりばめていく。

 ラストシーンには灯台(ライトハウス)を登場させる予定だ。「沖縄でこういう問題があって、こういうことを考えているというシグナルは出されている。沖縄から放たれる光のシグナルをキャッチしていくということを描けたらいい」

 出演は青柳いづみ、豊田エリーら。沖縄公演は4日午後7時、5日の午後2時と6時、6日午後2時。入場料は一般3千円、学割あり。問い合わせはなはーと(電話)098(861)7810。

 2月18日~3月6日に東京でも上演する。
 (伊佐尚記)