沖縄署に数百人の若者が集まった騒動を巡り、ネット上の言説を見ると、事実関係を問うたり、深夜に集まった若者を誹謗(ひぼう)中傷したりする内容が並んだ。「日本人のフリしたゴミクズ共め」。同時に多くのコメントには沖縄に対するヘイトスピーチも含まれていた。
事案を受け、沖縄市山里の沖縄署に数百人の若者が詰め掛けて物を投げ入れ、庁舎のガラスなどを壊したのは27日午後11時ごろから翌28日午前4時ごろ。本紙は28日午前8時55分前後にウエブの琉球新報デジタルで沖縄署周辺で若者が多く集まっていた記事を掲載し、本紙のツイッターアカウントでもその記事を紹介した。
このツイートは拡散され、29日午後6時現在、リツイートやいいねの合計は5400件を超え、リプライ(返信)は400件に達する。
リプライには、沖縄市の路上をバイクで走行中の男子高校生が警官と接触した後に右眼球破裂の重傷を負ったという事実関係を問うコメントがある一方、集まった若者への誹謗中傷や皮肉の言葉が並んだ。
本紙は騒動後に報道したものの「暴動のきっかけを作ったのは琉球新報社だ」「琉球新報社こそが襲撃されるべきなのだ」と主張するなど、本紙の報道がきっかけなどとする誤った認識も多かった。
これら以上に差別的なコメントは多かった。
「県民性?」「バカが200人も居るのか。。。浄化するのが大変そうだ」「沖縄は猿の巣窟」「沖縄ってやっぱりやべーとこなんだなぁ」(以上、原文ママ)
などと「沖縄」をひとくくりにして蔑視する発言が並んだ。 さらには
「沖縄の所得と教養レベルが低くて民度の問題ですよ。日本はそう悪くないです」「投石って間違いなく中国人しかやらない」「え、国内の画像?」「日本人のフリしたゴミクズ共め」
などと日本と切り離し、見下すような言説も多かった。リプライには「これは無抵抗の高校生を失明させた」「形はどうあれ若者がこうやって主張をするのは良い事だ」などとするコメントも一部にあった。(仲村良太)
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