「友のためにならない」「絶対にやめて」沖縄署騒ぎ、再結集の動きに負傷者の友人ら訴え


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騒動を警戒し、沖縄署前に立つ機動隊員=29日午後10時16分

 沖縄市内の路上でバイクを運転していた男子高校生が警察官と接触した後、眼球破裂などの重傷を負った件で、負傷した高校生の友人は29日、本紙取材に「騒動を起こしても、(負傷した)友人のためにならない。止めたかった」と話した。署の前に再び集まる動きがあったことに対し「集まらないでほしい」と訴えていた。同件を巡っては27日深夜、会員制交流サイト(SNS)などを通じて集まった数百人の若者らの一部が、投石などをし沖縄署の車両や窓ガラスを損壊させ騒動となった。

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 負傷した男子高校生の友人男性(17)は27日午後8時ごろ、会員制交流SNSで騒動を知った。「友だちを傷つけた警官を許せない気持ちから、署に行った」。署の前では多くの人が石や氷、爆竹を署員や車両に向け投げていた。友人男性は「最初は警察に対する怒りもあり『こうなって当然』と思っていた」と話す。周りを見渡しても、男子高校生の知人はほとんど見当たらなかった。中にはふざけているように見える人もいた。「騒動を起こしても迷惑を掛けるだけ。きれいな戦い方をしたい」と語気を強める。

 友人の女性(17)は「こんなことしても(男子高校生の)ためにならない。やめてほしい」と署の前を離れた。一夜明けた28日、「今日も警察署に行こうとしている人たち、絶対やめてください」とSNSで呼び掛けた。

 女性は「地元の友人は誰も石を投げていない。止めたかった。大勢を止めることはできないと思い、散乱したごみを拾って帰った」と声を落とす。「大きな騒動になり、注目も集まった。感謝する部分もあるが、ふざけて笑いながらやることでもないと思っている」と複雑な胸の内を明かした。

 沖縄署前では28、29日の夜、騒動を警戒して機動隊員100人以上が配置されたが、両日とも若者らの姿はほとんどなかった。同署は高校生のけがの経緯について、引き続き事実確認に努めるとしている。  (友寄開)

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