沖縄「平和な島」遠く…きょう復帰50年 基地集中、今も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
祖国復帰闘争碑

 沖縄は15日、1972年の日本復帰から50年の節目を迎えた。復帰からの半世紀にわたる沖縄振興策で道路や橋梁(きょうりょう)などインフラ整備は進み、人口は復帰時の96万人から現在の146万人へと約1・5倍に増加するなど、経済面では着実に発展した。一方、県民が願った「平和の島」としての復帰はいまだ実現せず、国土面積の約0・6%に在日米軍専用施設の7割が集中する。

>>50年前と見出しが変わらない 1面を復刻「変わらぬ基地」問う

 基地から派生する事件事故や騒音被害は県民の日常生活への負担として重くのしかかり、基地は経済活動の足かせとして横たわっている。

  政府と県は15日午後2時から、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターと東京会場のグランドプリンスホテル新高輪を中継でつなぎ、沖縄復帰50周年記念式典を共催で開く。

 玉城デニー知事は15日、今後10年間の沖縄振興の指針となる新たな沖縄振興計画「新21世紀ビジョン基本計画」(新振計)を正式に決定し、岸田文雄首相に直接手渡す。

 式典参加のため、14日に来県した岸田首相は糸満市の平和祈念公園や那覇市の首里城などを視察し、火災で焼失した首里城正殿を11月に着工する考えを表明した。15日には、米軍普天間飛行場や、沖縄科学技術大学院大学(OIST)などを視察する予定だ。 

 「第45回5・15平和行進」が14日、3年ぶりに開催された。沖縄の基地問題を全国で共有しようと、県内外の労働組合や平和団体など約70団体から約千人(主催者発表)が参加した。(池田哲平、伊佐尚記)

復帰50年特別企画ページ