黄金のクワガタ発見 「金粉個体」なぜこんな色に?マニアの高校生が研究 沖縄・辺土名高校


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金粉がかかったような体色のオキナワノコギリクワガタ=14日、大宜味村(仲井間憲汰さん提供)

 【大宜味】辺土名高校(大宜味村)サイエンス部の東竜一郎教諭(48)、3年の金城勇斗さん(17)、1年の仲井間憲汰さん(15)が14日、大宜味村で金粉がかかったようなオキナワノコギリクワガタを発見した。このクワガタの体色に関する研究を続けてきた東教諭や金城さんによると、これほど明るい体色をしたオキナワノコギリクワガタは珍しいという。

 金粉がかかったようなノコギリクワガタは愛好家の間で通称「金粉個体」と呼ばれている。

 東教諭らが金粉個体を発見したのは、14日午後8時ごろ。学校周辺で採集中に木の枝にいる黄金色のクワガタに東教諭が気付き、近くにいた金城さんと仲井間さんに「ものすごいものを見つけた」と呼び寄せた。採集したオキナワノコギリクワガタの体長は4センチのオスで、辺土名高校で飼育している。

金粉がかかったようなオキナワノコギリクワガタを見つけた東竜一郎教諭(後列右)と指導教諭の島袋陽教諭(同左)、金城勇斗さん(前列左)と仲井間憲汰さん=16日、大宜味村の辺土名高校

 金城さんは2年前の第67回高校生による生物科学展(沖縄生物教育研究会、県高校文化連盟科学専門部主催)の課題・自由研究部門で「オキナワノコギリクワガタの体色に関する研究」が最優秀に選ばれた。金城さんによると、2年前の調査では186匹を採集して、そのうち1匹だけが金粉個体だった。出現率は0・5%だったが、今回発見した個体ほど明るい体色のオキナワノコギリクワガタは見たことがないという。金城さんは「体色についての研究を継続したい」と目を輝かせた。

 小学生の頃、クワガタ約300匹を飼育していたという“クワガタマニア”の仲井間さんは「同じような個体を探し、繁殖に取り組んで体色が遺伝するのかどうかも調べたい」と意気込んだ。

 クワガタムシをはじめ生き物の生態に詳しい竹原周(あまね)さん=今帰仁村=は「アマミノコギリクワガタやトクノシマノコギリクワガタでも同じような金粉個体が確認されているが、そこまで多く採集できるものでなく、比較的珍しい」とした上で「研究は進んでおらず原因は分かっていない。複雑な遺伝的要素が重なって出現している可能性もある」とした。

(松堂秀樹)

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