名護の学童施設が不正受給 数百万円…人件費を水増し 運営の危機に保護者「今後どこに預ければ」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
イメージ写真

 【名護】沖縄県名護市内の個人運営の学童クラブで、補助金の不正受給があったとして、交付した市が代表者の女性に返還を求めていることが24日までに分かった。市は2022年度の補助金の不交付を決定しており、運営する2カ所の学童の存続が危ぶまれている。代表者は本紙取材に事実関係を認めて謝罪し「少なくとも数百万円を不正に受給した」と述べた。保護者からは「今後(子どもを)どこに預ければいいのか」と憤りの声が上がっている。

 代表者は勤務実態のない複数人が勤務しているかのように見せかけ、人件費の水増しをしたと明かした。勤務時間の水増しなどもしたという。

 学童の運営は市の放課後児童健全育成事業補助金、保護者からの利用料などで賄われている。

 代表者によると、市は交付要綱に基づき、21年度に支給した全額1800万円余りの返還を求めている。このうち、水増し請求額について、市は取材に「(詳細は)答えられない」と回答した。

 22日に保護者説明会が開催された。二つの学童には現在、60人以上が在籍している。代表者は「新たな受け入れ先が決まるまで、可能な限り預かる」としているが、補助金の交付がないため、先行きは不透明だ。

 市は児童らの新たな受け入れ先の確保を急いでいる。

 代表者は「魔が差してしまった。深く反省している。私の身勝手な行動で、子ども、保護者、職員、地域に迷惑を掛けた」と謝罪した。

【関連記事】
▼コロナ給付金詐欺、沖縄でもセミナー インドネシアで逮捕の男ら

▼学校PCR停止へ ラデコ開始 沖縄

▼【動画】半グレら無許可で食べ放題店 数千万円を荒稼ぎか 県警逮捕

▼ランドセル商戦に休みなし 多様化で納品に時間 入学直前に割安狙いも 沖縄

▼台湾マフィアが沖縄へ 旭琉会と接触、県警が動向注視 背後に中国当局