琉球かれん 月夜に奏でる 考案者・米須さんら演奏会


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新しい楽器「琉球かれん」による観月コンサート(右端が米須さん)=4日、南城市知念字知名の前田さん宅の庭園

【南城】新しく開発された楽器の柔らかな音色を聴いて心身共に癒やされる観月コンサートが4日、南城市知念字知名で催され、初めて鑑賞に訪れた地元の人たちの心を和ませた。

 

 知名集落の高台にある前田正重さん(71)宅を訪れたのは「琉球かれん」という楽器を考案、制作した米須清二郎さん(56)一行。メロディーを奏でる三線の弦1本とハーモニーを奏でるギターの金属弦12本で構成された十三線和音楽器を携え、4人で演奏に臨んだ。

 一望できる中城湾を背に、前田さんの庭園で弾き手の女性3人と米須さんがピアノを伴奏してのコンサート。曲に乗せてダンスも披露された。

 「琉球かれん」に魅せられ宜野湾市から来たファンと地元の人たち30人近くが、静かな夜空の下で、三線でもギターでもない楽器が奏でるまろやかな音に耳を澄ました。

 米須さんは「沼地の泥水の中から力強く咲く蓮華のハスの花を連想し可憐(かれん)と掛けて『琉球かれん』と、ひらがなで優しい音色のイメージを表すことにした」と説明している。

 「琉球かれん」の和音弦は片手で弾けることから、デイサービスなどでの音楽療法のほか、リハビリ治療の楽器として注目されているという。

 那覇市で音楽活動をしている「てんがーら」(天の川から命名)の三線シンガー與儀美紀乃さんのグループも駆け付け、「芭蕉布」や「花」などを歌い、雰囲気を盛り上げた。(知花幸栄通信員)