【ちむどんどん第61話】沖縄の遺骨収集 朝ドラ「ちむどんどん」キーワード集【ネタバレ注意】


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「県民遺骨収集」に合わせて、遺骨収集作業をする参加者=1977年3月3日、糸満市摩文仁

 ちむどんどん第61話は、生まれて初めての恋に落ちたことに気付き、仕事が手に付かない暢子(黒島結菜)のてんやわんやから物語が始まります。そんなときに、暢子が働くレストランで矢作(井之脇海)ら3人の従業員が一斉に退職。オーナーの房子(原田美枝子)自ら、厨房に立つことになります。そのころ、和彦(宮沢氷魚)は、暢子の恋心などつゆ知らず、沖縄に関する「戦没者の遺骨収集」に関する企画を通そうと奮闘していました。戦没者の遺骨収集とは何でしょう。

 沖縄における戦没者の遺骨収集とは、沖縄戦で亡くなった方々の野ざらしになった骨を集め遺族の元へと返したり、埋葬したりなどすることです。県保護・援護課が作成した「沖縄戦の遺骨収集状況」によると、2022年3月末現在、収集対象数は18万8136柱で、収骨数の累計は18万5417柱、未収骨数は2719柱となっています。

 物語の時代(1978年)の1年前の1977年、沖縄では戦没者の遺骨収集の機運が一段と高まりました。それは1977年が沖縄戦が終わって33年目、戦争で亡くなった方々の三十三年忌にあたるからです。三十三年忌は最後の法要にあたり、大焼香(ウフスーコー)、終わり焼香(ウワィスーコー)と呼び、とりわけ盛大に行われます。

 1977年には県遺族連合会、県傷痍軍人会、県慰霊奉養会を主団体とした「県民遺骨収集」が3月と12月の2回開催されました。延べ約1200人が参加し、461柱が収集されました。

>>沖縄戦77年 戦没者の遺骨、2719体が今も地中に


>>【まとめ】ちむどんどんキーワード集

▼ちむどんどんってどんな意味?

▼復帰前の沖縄、映画館と遊園地はなかった?

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▼「とうしんどーい!」って何? 沖縄県民には結婚式や旧盆でおなじみの曲

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