メディアも変わらないと 「ジェンダー表現ガイドブック」出版記念でイベント 那覇ジュンク堂


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メディアでの差別・偏見について討議した谷口真由美さん(前列中央)、モバイルプリンスさん(同左)ら=6日、ジュンク堂書店那覇店

 「失敗しないための ジェンダー表現ガイドブック」(小学館)の出版を記念したトークイベントが6日、ジュンク堂書店那覇店であった。ジェンダー法研究者の谷口真由美さんとスマートフォンアドバイザーのモバイルプリンスさんをゲストに迎え、ガイドブックを編集した記者が討議した。新聞やウェブ配信での性差別的な表現や性別役割分担を強調する記事を指摘した。ジェンダー平等推進に向けて、発信側が多様性のある組織をつくるなど変革の必要性を挙げた。

 イベントは新聞労連沖縄地連と同那覇店が共同で企画し、オンラインを含め70人が参加した。琉球新報社の慶田城七瀬記者が進行役を務めた。

 登壇者らは、差別や偏見を植え付けるような記事の背景に、意思決定部門に占める女性の割合が少ないなど、メディア側の課題に言及。また、意図的ではない無意識な発信に問題の根深さがあると指摘した。

 谷口さんはスポーツの記事を一例に、活躍した選手を紹介する際に「母親が一人で育てたとか、妻に子育ては任せっぱなしでとか感動を押し売りしている。読者がアスリートに求めているのは家族像ではない」と述べた。毎日新聞の吉永磨美さんは「(男女格差を測る)ジェンダーギャップ指数が日本は最悪な水準と伝えながら(自らには)振り返りがない」と話した。