ウチナージャズの歴史刻む熱い夜 アルバム発売記念 沖縄ジャズ界のスター演奏家が集結


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 沖縄ジャズ界のスターたちが集まり収録したアルバム「ウチナー・ジャズ・ゴーズ・オン」の発売を記念したライブ「ウチナー・ジャズ・オールスターズ スペシャル・コンサート2022」が7月30日、沖縄市のミュージックタウン音市場で開かれた。真栄里英樹率いるビッグバンドを中心に、沖縄ジャズの歴史を刻んできた、サクソフォンのアラン・カヒーペやピアニストの宮里政雄、ドラマーの上原昌栄らが出演した。

熱唱する安富祖貴子(手前左)と真栄里英樹指揮のビッグバンド=7月30日、沖縄市のミュージックタウン音市場(喜瀬守昭撮影)

 1部は、アランや宮里ら老練のレジェンドで構成したカルテット「JIJI324」のほか、「テリー重田カルテット」「屋良朝秋寓話カルテット」が演奏した。2部は、真栄里のビッグバンドが「ヒヤミカチ節」などウチナージャズを披露。最後はアランと宮里が「酒とバラの日々」をデュエットした。

 ビッグバンドは、共演したレジェンドらと呼吸を一致させ、彼らを際立たせた。ドラマーの上原は「シング・シング・シング」で笑顔でスティックを回したり、高速の連打を披露し会場を盛り上げた。アランのサックスに会場は息を飲んで聞き入った。その演奏を見て真栄里が目を潤ませる場面もあった。

熱い演奏を披露する上原昌栄(喜瀬守昭撮影)

 主催者などによると、沖縄のジャズは終戦後、米軍基地内のクラブで発展した。中高校生の吹奏楽部がニーズに応え、50~60年代に黄金時代を迎えた。72年の日本復帰以降は衰退したが、現在でも系譜は受け継がれている。

 真栄里はアランが毎日のように自宅で練習していることを挙げ「信じられない」とたたえた。「先輩方が残したものが誇らしい。これからもウチナージャズは歩みを止めない」と力を込めた。

(古川峻)