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「ひめゆり平和祈念資料館」に沖縄平和賞 沖縄戦の記憶継承「普遍的な平和思想の象徴」


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沖縄平和賞を受賞したひめゆり平和祈念資料館=12日、糸満市伊原

 沖縄県の玉城デニー知事は12日、アジア太平洋地域の平和構築や維持に貢献している個人・団体に贈る第11回沖縄平和賞に、公益財団法人沖縄県女師・一高女ひめゆり平和祈念財団が運営する「ひめゆり平和祈念資料館」を選出したと発表した。沖縄平和賞は2002年に創設され、2年に一度贈られる。

 同財団は、沖縄戦中に沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校から沖縄陸軍病院に動員された、ひめゆり学徒と教師の生存者らが、1960年に設立した同窓会が前身。89年にひめゆり平和祈念資料館を設立し、生存者の証言や展示品を通して、戦争の悲惨さや平和の尊さを発信してきた。入館者は開館から33年を経て2300万人を超えているという。

記者会見する玉城デニー知事=12日、那覇市の県庁

 県は贈賞理由として、ひめゆり学徒をはじめ、沖縄戦を体験した全学徒の活動に深く敬意を表した上で、「戦後において沖縄戦の記憶の継承を展開してきたひめゆり平和祈念資料館が、沖縄における普遍的な平和思想の象徴的存在である」と評価した。

 さらに、沖縄を発信拠点として戦争の悲惨さや命の尊さを全世界に浸透させてきた地道な取り組みが、沖縄平和賞の理念に合致し、「本土復帰50年の節目の顕彰に最もふさわしい」としている。