教員「ドミノ倒し」 担任不在、カバーで過重労働 専門外授業が常態化 「教育崩壊している」と悲痛な声


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 深刻さを増す教員不足に、学校現場から悲痛の声が上がっている。教職員の間ではさらなる過重労働と、子どもへの影響を懸念する声がさらに大きくなっている。県や国の改善策には「期待できない。すでに教育崩壊している」とあきらめに似た声も漏れ聞こえる。

 担任不在の中学校に勤務している女性教諭は「多くの教員が子どものために自己犠牲を払い、疲弊しても頑張っている。精神的にも肉体的にも苦しい」と窮状を訴える。女性の学校では担任だけでなく、専科教員も不足している。「免許を持っていない教科の授業をするという事例は、全く珍しくない。どこの学校でもあるはずだ」。そうしなければ学校を運営できない状況に陥っていることを「もっと多くの人が自分事として考えてほしい」と訴えた。

 南部の小学校に勤務している養護教諭は「子どもへの影響はとっくに出ている。保健室登校や登校渋りがすごく増えた。先生に、子どもの異変に気付ける余裕がない」と話した。「教育に関係ない人はいない。社会の問題だ。沖縄の教育現場はもう崩壊していると思う」。最後は涙声で訴えた。

 県教職員組合(沖教組)の上原邦夫中央執行委員長は「不足のカバーでさらなる過重労働に陥っていると相談が寄せられている。ドミノ倒しのように先生が倒れているが、食い止めるための具体策は示されていない」と話した。
 (嘉数陽)