モズク有望種、品種登録 「イノーの恵み」、生食にも


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他品種よりも柔らかく長い特徴を持つ「イノーの恵み」(右)(県水産海洋技術センター提供)

 県水産海洋技術センターは27日、センターが採集、選抜、育成したオキナワモズク(本モズク)で収量が高い有望種を「イノーの恵み」として品種登録したと発表した。登録は9月29日付。2011年から実験を始め県内全域のモズクを採取し、研究を進めてきた。通常の本モズクよりも長く、細いのが特徴で、生食用としても活用できる。

 センターは14年、モズクの持つ遺伝子が成長や品質に影響を与えることを突き止め、県内に生息する12種類のモズクの中から、有望種を見付け、今回品種登録した。
 県産モズクの約9割が塩漬け保存され、加工食品として市場に出回る。柔らかい食感の「イノーの恵み」は、生食用にも適している。このためモズクの消費が減少する冬場に、鍋料理やみそ汁の具材としても利用が期待できる。
 センターは、県内各漁協を通じてモズクを養殖する生産者へ無料で種苗を配布している。岩井憲司主任研究員は「加工、流通など現場に合わせたモズク生産につながるよう今後も研究を進めたい」と話した。