障がい者支援、地域とともに40年 若竹福祉会が感謝祭 作業所全焼も地域の支えで再建 沖縄・浦添


社会
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40周年感謝祭で琉舞を披露する宮城恵子琉舞道場の生徒ら=23日、浦添市の社会就労センターわかたけ

 1980年代以降、沖縄県内の障がい者運動を先導してきた社会福祉法人若竹福祉会は2022年4月で前身の作業所の開所から40年となった。23日には、浦添市の社会就労センターわかたけで40周年を記念する感謝祭が開催された。利用者や地域の人が集い、40周年を祝った。開所から携わった同会の村田凉子施設長は「当時は障がいがある人は怖い存在だと思われていた。差別や偏見の中にいた」と振り返り、地域で信頼関係を築く中で進んできた障がいへの理解に感謝した。

 これまで就学が免除されていた障がい者を義務教育に組み込むため、1979年に養護学校が義務化された。卒業後の行き場をつくるため、81年に「若竹共同作業所を創る会」が結成され、82年に開所した。

 作業所では地域を回り廃品回収した。活動を続ける中で、地域住民からの声掛けや差し入れをもらうなど、理解は少しずつ深まっていった。

 開所して10年目に作業所が全焼する出来事があった。燃える作業所を見て村田さんは「こんなに簡単に消えてしまうのか」とぼうぜんと立ち尽くしたという。その後の再建を支えたのは地域の人々だった。募金箱の用意や寄付、火災の後片付けにも協力した。

 火災をきっかけに、障がい者支援という施設の役割が世間に認知された。無認可だったことから、公的な支援を求める声も挙がった。やがて行政も無視できなくなり、97年に念願の社会福祉法人となった。40年を迎えて村田さんは「よくここまで来られた。感謝だ。これからも目の前の困っている人に導かれて発展していきたい」と思いを話した。

(金盛文香)