「法治国家と言えない」 稲嶺名護市長、着工に憤り


この記事を書いた人 金城 美智子
米軍キャンプ・シュワブ沖の埋め立て工事再開を受け、ゲート前に駆け付けた名護市の稲嶺市長=29日午前9時45分、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】沖縄防衛局が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立て本体工事に着手した29日、米軍キャンプ・シュワブのゲート前では辺野古移設に反対し抗議する市民ら約100人が午前6時半ごろから工事車両の基地内への進入を阻止しようと座り込んだ。

 大勢の警察官が座り込む市民らを1人ずつ抱えて移動させた。現場はもみ合いが多数発生し騒然となった。
 市民らを排除した警察官らが並んでゲート内へ通り道をつくり、工事で使うクレーン車を載せた大型車両などを含めた工事車両が車列を組んで基地内へ入った。自宅でニュースを見てゲート前へ駆け付けた稲嶺進名護市長は「法律違反をしているのは国の方だ。とても法治国家、民主主義国家とは言えない」と憤った。
 抗議活動の中で、移設工事に抗議する男性1人が工事用の防護ネットを引き裂いたとして器物損壊の疑いで現行犯逮捕された。同署によると、男性は容疑を認めている。市民らはゲート前で「仲間を返せ」と繰り返し、基地を出入りする米軍車両の前に座り込んだ。【琉球新報電子版】