PFAS、32地点で国の指針を超える 米軍基地周辺、嘉手納で最高42倍 沖縄県の22年度夏の調査 


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)が米軍基地周辺の地下水などから高い値で検出されている問題で、沖縄県環境部は1日、残留実態調査の2022年度夏季結果を公開した。調査46地点のうち32地点で、国が定めた暫定指針値(1リットル当たりPFOSとPFOAの合計50ナノグラム)を超える値が検出された。最も高かったのは嘉手納基地周辺の屋良ヒージャーガーの2100ナノグラムで、暫定指針値の42倍となった。超過地点のほとんどは基地の下流にある。

 3地点で過去最高値を超える値が検出された。うちキャンプ・マクトリアス周辺の天願橋上流接続水路上流は350ナノグラムで暫定指針値の7倍となった。

 環境保全課は「大きな変動はなかったが、過去に大きく超過した地点からは現在も高い値で検出され続けている。普天間飛行場、嘉手納基地が汚染源である蓋然(がいぜん)性が高い」と指摘。「県は国、米軍に浄化を求め続けているが、汚染源を特定するために基地立ち入り調査を早期に実施しないといけない」と強調した。

 普天間飛行場周辺20地点のうち11地点、嘉手納基地周辺13地点のうち12地点、キャンプ・マクトリアス周辺8地点のうち6地点、キャンプ・ハンセン周辺4地点のうち2地点、キャンプ瑞慶覧周辺の1地点で暫定指針値を超えた。

 県は16年度、全県で河川、湧水、井戸水のPFAS調査を行い、17年度からは夏と冬、基地周辺で調査を続けている。(安里周悟)