玉城知事「自治権を守り抜く戦い」 辺野古、設計変更不承認訴訟の意義を強調


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第1回口頭弁論を前に、集会で裁判への意気込みを語る玉城デニー知事(中央右)=1日午後2時16分、那覇市楚辺(小川昌宏撮影)

 軟弱地盤改良工事に伴う不承認処分を巡る訴訟での意見陳述を終えた玉城デニー知事は1日、沖縄県庁で会見し「限られた時間だったが、県の立場を主張することができた」と述べた。「地方の自立性が保障される、国と地方の在り方を示す判断をしてほしい」と裁判所の判断に期待を込めた。

 玉城知事は裁判の意義について「普天間と辺野古の問題、沖縄の問題ではなく、わが国の地方公共団体の自治権を守り抜く闘いだ」と強調した。

 法廷では、沖縄の米軍基地の成り立ちや、度重なる事件事故などにより、埋め立てに反対する民意が根強く存在することを主張した。軟弱地盤の最深部となるB27地点のボーリング調査を行っていないといった、設計変更申請の技術的な疑問点も指摘した。さらに、辺野古・大浦湾周辺海域の生物多様性にも触れ「豊かな自然を子や孫に残すことは、われわれの重大な責務だ」と訴えた。

 裁判所に対しては「憲法の保障する地方自治の本旨を踏まえ、公平中立な判断をするよう期待する」と語った。
 (知念征尚)