来月2日に係争処理委に申し出 「法治国家か」知事、勧告を批判


この記事を書いた人 金城 美智子
名護市辺野古の本体工事着手を受け、記者会見する翁長知事(中央)=29日午後3時50分ごろ、県庁

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐり、沖縄防衛局が29日午前8時に本体工事を着手したことを受け、翁長雄志知事は同日午後3時45分すぎに県庁で会見を開き、「承認取り消しについて、法律的に最終的な判断が示されないまま工事が強行されたことに激しい憤りを禁じ得ない」と述べて政府を批判した。

 さらに翁長知事は「政府はキャンプ・シュワブに機動隊を配備し、辺野古新基地建設に反対する県民への強権的な態度をあらわにしている。沖縄の人々の気持ちに寄り添う、と言っているが、一連の行動からそのような意思はみじんも感じられない」と述べた。
 石井啓一国土交通相が知事の取り消しを効力停止したことについては、11月2日に総務省所管の第三者機関「国・地方係争処理委員会」に審査を申し出ることを明らかにした。
 代執行手続きの一環として、国から是正勧告書が届いたことについては「審査請求において承認取り消しの効力を止めておきながら、今度は所管の大臣として、承認取り消しを取り消せ、と勧告することは自らの都合に応じて立場を使い分けていると言わざるを得ない。世界に向けて法治国家であると胸を張って言えるか。(是正)勧告は甚だ不本意だ」と批判した。【琉球新報電子版】