新電力のイーレックス、沖縄参入表明 電源開発社から電力調達検討


この記事を書いた人 田盛 良一

 新規参入電力事業者(新電力)のイーレックス(東京、渡邊博社長)は30日、来年4月の電力小売りの全面自由化に向け、沖縄地域への電力小売り参入を目指していることを明らかにした。石川石炭火力発電所(うるま市)を運営する電源開発(Jパワー)から電力を調達し、沖縄電力の送電網を使って沖縄本島の事業所やホテルなどの需要家に供給する形態などが検討されている模様だ。

 2000年から段階的に進んできた電力市場の自由化で、新電力による沖縄電力管内への小売り参入が本格的になるのは初めて。沖縄参入を検討する新電力は複数あるとみられ、企業や各家庭が電気料金で電力会社を選ぶ価格競争の波が沖縄にも波及する。
 イーレックスは30日、投資家向けに「沖縄電力管内への新規参入に向けて、事業化の実現可能性を事前に調査することを開始した」と発表した。沖縄電力を数%下回る料金設定にすることで契約先を広げていく戦略で、調達手段のほか採算性など需要の見極めについて調整を進める。
 沖縄電力の大嶺満社長は中間決算発表会見で「電力卸市場の活性化ということで、当社が全量購入しているJパワーの石炭火力発電から1万キロワットを切り出し、新電力にも売電先を多様化するようだ」と業界の動向を指摘。「自由化後も選択される事業者となるよう競争力を高める」と語った。