沖縄市と国、協議会設置を確認 牧港倉庫群移設、振興策を議論


社会
この記事を書いた人 田盛 良一
桑江朝千夫沖縄市長(手前右)に対して、米軍牧港補給地区の倉庫群を嘉手納弾薬庫知花地区へ移転する計画に理解を求める若宮健嗣防衛副大臣(奥)=30日午後、沖縄市役所

 【沖縄】若宮健嗣防衛副大臣が30日、沖縄市役所に桑江朝千夫市長を訪ね、浦添市の米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の倉庫群移設問題について、沖縄市の嘉手納弾薬庫知花地区への移設受け入れを要請した。桑江市長は「滞る(国の)基地政策が進むことは非常に重要だ。犠牲ではなく貢献するという大きな視点から理解している」と述べ、受け入れに向けた検討作業を進める考えをあらためて示した。

 会合では基地移設に向けて、交通渋滞や周辺河川の整備、経済振興などの課題解決を協議するため、国と市による協議会を設置することを確認した。
 桑江市長は要請で、受け入れに向けた環境整備の条件として、1万人規模の多目的アリーナ建設や多目的広場、運動場などの整備も提示した。「市民の目に見える形で協力いただければ幸いだ」と実現を求めた。
 若宮副大臣は「新しい地域の振興など総合的な観点から地域のために何が一番望ましいのか追求したい」と積極姿勢を示した。
 桑江市長は会合後、受け入れの判断材料について記者団に対し、市北部の池原、登川、松本、知花の4自治会や市議会の理解を得ることが「大きな材料になる」と言及した。国に対して各地域で住民説明会を開催するよう求めた。