担任不在で児童を他学級に振り分け 那覇市内の小学校、業務過多で校長決断 市教委「適切といえない」指導 沖縄


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 沖縄県那覇市内の小学校で、臨時的任用職員(臨任)を確保できず担任不在が続いていた学級の児童を、他の学級に振り分けていたことが25日、分かった。振り分けを実施したのは23日。那覇市教育委員会は那覇市議から問い合わせを受けて状況を知った。学校に聞き取りをして、「子どもにとって適切な対応とはいえない」と学校を指導、26日から元の学級編成に戻る。臨任は見つかっていないため、再び担任不在のまま、他の教職員で授業などをカバーする。

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 那覇市教委によると、学級の振り分けがあったのは1年生。担任が病休を取り、担任不在が続いていた。他の学級担任や管理職らが授業などを代行してきたが、低学年の児童は目が離せず見守りが必要なこともあり、業務負担に苦しむ教職員の姿などを見て校長が振り分けを決断した。

 学校では、不足している教職員の業務代行だけでなく、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの影響で休まざるを得ない教職員もいて、業務過多が深刻になっている。

 保護者には便りを出して理解を求めた。市教委によると、学校や市教委に保護者から苦情などは入っていないという。

 年度途中の他学級への振り分けについて、市教委は「当たり前にあることではない」と戸惑う。校長だけで判断可能なのか、根拠もはっきりしない。市教委は「もし同様の判断に迫られている学校があれば、まず市教委に相談してほしい」と話す。

 市教委は他の学校でも同様の事例がないか、調査することを決めた。県教委でも同様の事例がないかを調査している。
(嘉数陽)

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