「生活の限界」「企業に甚大な影響」 沖縄電力の料金値上げ申請に厳しい意見 那覇で公聴会


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公聴会で説明する沖縄電力の本永浩之社長(右)=30午前、那覇市牧志のてんぶす那覇(又吉康秀撮影)

 経済産業省は30日、沖縄電力が申請した4月からの電気料金値上げ認可に関し、利用者の意見を聞く公聴会を沖縄県那覇市内で開いた。県内在住の3人が一般消費者の立場から意見を表明した。社会生活への大きな負担になるとの懸念や反対の訴えなどがあり、厳しい意見が出された。

 公聴会は値上げ申請の審査手続きの一つで、経産省は意見を参考に最終的な値上げ幅を判断する。沖電は標準家庭のモデル(月間使用量260キロワット時)で39.3%の値上げを申請している。事業者向けメニューの値上げも予定する。

 かりゆしウエアを認定する県衣類縫製品工業組合の美濃えり子事務局長は、原材料の値上がりにさらに電気代上昇が加われば「企業収益に及ぼす甚大な影響が懸念される」と強調した。

 経産省が事前にホームページで募った意見も紹介された。「値上げ幅が大きすぎる」「生活の限界を感じる」と窮状を訴える声がある一方、「やむを得ない」との見方や「国の対策・対応を」など政府の支援を求める声も寄せられた。

 公聴会で経緯説明した沖電の本永浩之社長は、燃料費高騰に触れ「経営努力で吸収できる範囲を大幅に超え、安定供給に支障を来す恐れがある。心苦しい限りだが苦渋の決断で値上げの申請を行った」と理解を求めた。
(當山幸都)

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