グリーンピース停泊申請 制限1キロ沖 国、支障具体例示さず却下


この記事を書いた人 田盛 良一

 沖縄総合事務局が、国際環境保護団体グリーンピースのキャンペーン船「虹の戦士号」(オランダ船籍、855トン)の名護市辺野古沖周辺への停泊申請を却下した件で、同船が申請した停泊位置が臨時制限区域から約1キロ沖合だったことが5日、同団体への取材で分かった。日本政府が工事を妨害せずに行う予定だった抗議活動を事実上制限したことになる。琉球大学の高良鉄美教授(憲法学)は「表現の自由、集会の自由を保証する憲法に反する処分」と指摘した。

 虹の戦士号は2005年、07年に抗議活動を展開した際は許可が出ている。総合事務局運輸部は、対応の違いについて「今回は既に(辺野古移設)工事が始まっており、(虹の戦士号が)入ることで海上での抗議活動などに混乱が生じて安全確保ができない恐れがある」と説明。安全確保に支障を来しかねない具体的事例については「いろいろな事態が想定される」と述べ、明らかにしなかった。