HIV通院受け入れ 宮古病院、患者負担が減


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 【宮古島】離島におけるエイズウイルス(HIV)感染者の負担を軽減しようと、県立宮古病院(上原哲夫院長)は院内に医師や看護師、薬剤師ら7人でつくる専門チームを立ち上げ、6月から正式にHIV患者の通院を受け入れ始めた。離島地域では初めての取り組みで、患者からは「宮古から出ずに済み助かる」など好評だ。

 宮古病院ではこのほど免疫分野の指定自立支援医療機関となったことに伴い、受け入れ体制を整えた。宮古病院で受け入れるのは、主に容体が安定している患者で、経過観察や薬の処方を行っている。
 県内でHIVの治療が受けられる拠点病院となっているのは、琉球大医学部付属病院と中部病院、南部医療センター・こども医療センターに限られていた。
 離島に住むHIV患者は薬を受け取るだけでも3カ月に1回程度沖縄本島に渡る必要があり、経済的・心理的な負担が大きかった。
 HIVは薬の進歩で余命が飛躍的に延びた。宮古病院は沖縄本島の拠点病院と連携して受け入れに対応し、安定期の患者が島外の病院に通院する機会を大幅に減らした。合併症の治療とともに、薬の処方とそれに伴う副作用にも対応できるようになり、患者の負担軽減につながっている。
 患者応対や情報のやりとりを原則チーム内にとどめることで、患者のプライバシー保護を徹底している。