「使えない」「アホかお前」「ブタ」…頭から流血も 小学生の放課後スポーツで監督が体罰、暴言か 沖縄


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沖縄本島中部の公立小学校の放課後スポーツ活動で、男性監督が児童に体罰や暴言を加えていた疑いがあることが31日までに分かった。関係者によると、チームを所管する競技団体は3月、監督に厳重注意と反省文提出の処分を下した。監督は事実関係について取材に「(当該競技の)協会の許可なしに答えられない」と話した。3月で監督を辞める意向も示した。

所管する競技団体の代表は「(上部団体の)全国協会のルールにのっとり処理している。公表はしない」としている。

保護者によると、練習中に「使えない」「下手くそ」「アホかお前」などと威圧的な言葉を使って指導をしていたほか、思い通りに児童が動かなかった場合、頭を拳で殴ることもたびたびあった。試合に負けた時は名指しして「お前のせいで負けた」と大勢の前で叱責(しっせき)したこともあったという。

既にチームを辞めた児童は体罰の頻度について「土日の練習ではだいたい殴られた」と答えた。監督について「(今でも)怖い」と話している。別の児童は作戦ボードでたたかれ、頭から出血。保護者が「物で頭をたたかないでほしいです」と伝えると、監督から謝罪があったという。

別の保護者は、動きが遅かった子に「今日からお前をブタと呼ぶ」と言い、周囲にもそう呼ぶよう求めるのを目撃した。児童の一人は競技を始めて1カ月で監督の車を見ただけで体が震えるようになり、しばらくしてチームを辞めた。制裁として「腕立て伏せ100回」を命じられた子もいた。

保護者によると、男性は少なくとも6年前に監督就任。その間、監督を恐れて辞めた児童が複数人いるという。これまで、複数の保護者が体罰や暴言を止めるよう監督やチームの保護者会に訴えたが「これがうちの方針だから」と取り合ってもらえなかったという。


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