秋の全島闘牛 大一番に歓声、拍手


この記事を書いた人 外間 聡子
闘牛が繰り広げる迫力ある取組を見つめるファンら=8日、うるま市石川多目的ドーム

 【うるま】「ガン」「ゴツン」。闘牛がぶつかり合うたびに会場内に響く鈍い音。けがをした牛の額から鮮血が滴る。うるま市で8日に開かれた秋の全島闘牛大会では、観客が手に汗を握り歴史的な闘いを見守った。大技が出ると会場から歓声や拍手が湧き起こった。

 中量級は3年間無敗の絶対王者・闘将ハヤテと7連勝中で勢いに乗る金太郎が激突。3分すぎ、闘将ハヤテが力技で1トン近い相手の巨体を柵際まで押し込んだ。体勢を立て直した金太郎だが、腹取り攻撃に耐えかねて戦線を離脱。闘将ハヤテが圧勝した。15連勝で31年ぶりに2桁防衛を果たした闘将ハヤテ。牛主の幸地良盛さん(86)が牛の手綱を引いて土俵を歩くと、観客は万雷の拍手でたたえた。

 沖縄最強牛を決める無差別級の全島一決定戦は、一瞬の隙を突いた東立成号が王者に返り咲いた。

 闘将ハヤテの調教師・幸地諒秀(あきひで)さん(31)は「牛が一番頑張ってくれた。歴史に残る闘牛を育てることができて自分は幸せ者だ」と勝利を喜んだ。