県内ハローワーク職員、非正規7割 不安定な雇用環境


この記事を書いた人 志良堂 仁

 沖縄労働局が管轄する県内5カ所の公共職業安定所(ハローワーク)の職員に占める2015年4月1日現在の非正規雇用の割合は71・3%(407人中290人)で、全国ワーストを記録した県内の非正規雇用率44・5%(総務省12年調査)を大きく上回ることが11日までに分かった。割合の高さからは、就労支援に従事する職員の多くが不安定な雇用環境下に置かれている実態が浮かび上がる。

 厚労省によると、15年度の全国のハローワーク職員に占める非正規雇用率は59%で、県内の割合はこれを上回っている。一方、県労連などがまとめた県内自治体(県と41市町村)の職員に占める非正規の割合は41・9%で、県内の行政機関と比較しても、非正規雇用が多いハローワークの特殊な労働環境が際立つ。
 ハローワークで働く非正規雇用職員は、人事院規則で採用期間が原則1年(一会計年度内)となっている。公務災害などの面で国家公務員法の適用を受けるが、民間企業における正社員化に相当する仕組みはない。一方、民間の非正規雇用者に適用される労働契約法なども適用除外となる。
 採用は原則公募だが、年度末に2回まで再採用が可能で、計3年は働き続けることができる。だがその後は公募試験を受け直す必要がある。雇用情勢などを踏まえた厚労省の予算によって新年度の採用人数が変動するため、年度末ごとに雇い止めの不安を抱えながら働かざるを得ないのが現状で、昇進制度などもない。
 労働局の担当者は、国の機関に正職員化の制度がないことを理由に「必ずしも民間の非正規雇用職員の割合と比較するのは適当ではない」と説明する。その上で「仮にハローワークでの雇用が終了する場合には、本人の希望に応じ再就職を支援している」と述べた。