久貝友子さん、沖縄コロニー大賞受賞 オカリナで社会貢献


この記事を書いた人 田盛 良一

 自立への努力や社会・文化芸術活動が顕著な障がい者らに贈る第20回沖縄コロニー大賞(同実行委員会主催)の最終選考が12日、那覇市のザ・ナハテラスであり、脊髄性小児まひによる左上肢・両下肢機能障がいのあるオカリナ講師の久貝友子さん(61)=与那原町=が大賞に選ばれた。久貝さんは「まさか受賞するとは思わなかった。うれしい」と喜んだ

 久貝さんは幼少期から養護学校で寮生活を送り、兄の影響で音楽好きになった。音楽教諭を目指したが、学校が障がい者に配慮された環境ではなく、夢を諦めた。その後にオカリナと出会い、17年前から講師として活動を始めた。
 現在は姉と設立した「久音(ひさね)の会」の活動で特別支援学校や施設などの慰問を続ける。コンサートも精力的に開き、29日に通算500回を迎える。
 今後の抱負について久貝さんは「今まで通り音楽をいろいろな所へ届け、聞く人の心が豊かになる演奏をしたい」と意気込んだ。
 高嶺豊選考委員長は「オカリナを通した社会貢献への努力」を選考理由に挙げた。贈呈式は12月9日の「障害者の日」にザ・ナハテラスで開かれる。賞は今回で終了し、来年度以降は別の形の顕彰を検討する。

沖縄コロニー大賞に決まり「今まで通り音楽を届けたい」と話す久貝友子さん=12日午後、与那原町