県総のレクプール、原因不明の漏水で客入れできず 夏場の収入の柱、公園管理事業もピンチ


この記事を書いた人 琉球新報社
漏水によって水面が下がっている県総合運動公園のレクリエーションプール。壁の線が通常の水位で、大きく水面が低下している=1月31日、県総合運動公園(提供)

 沖縄のスポーツ振興の中心地で週末には多くの親子連れが行楽を楽しむ県総合運動公園が、施設の老朽化でピンチを迎えている。例年は5月の大型連休にオープンし夏場の収入の柱となるレクリエーションプールが、漏水のため営業開始の見通しが立っていない。他の事業への影響も懸念される。

 指定管理しているトラステック(那覇市)の福島誠司所長によると、1月末にプールの水面が下がっているのが見つかり、水が漏れていることが判明した。現在、1日に水位が1.5~2センチほど低下し、約25トンの水がしみ出しているという。

 検査をしたが、水が漏れている場所は特定できていない。福島所長は「地中に埋設している配管のどこかで静かにしみ出している可能性がある。調査の進展にもよるが、水事情なども考えると今季は厳しいかもしれない」と話した。「収入が少なくなると、無料の自主事業などができなくなってしまうかもしれない」と影響の広がりを懸念する。

 レクプールはウオータースライダーや浮輪に乗って滑る渓流下りなどがあり、子ども連れを中心に人気の施設だ。プールの利用料金のほか、売店の売り上げなどの付帯収入が大きいという。昨年も埋設配管から水漏れしたため修理が必要となり、全面オープンは夏休み開始後の8月にずれ込んだ。

 県総は1987年の海邦国体の主会場として整備されたが、40年近くが経過し設備は老朽化している。特に地中の配管は、土が塩分を含んでいることもあって劣化が進み、4月には園内のドッグラン近くの配管も水漏れしたという。屋内プールの壁面は可動式だが、さびて動かず、熱がこもり熱中症の恐れがあるため修繕を急いでいる。体育館メインアリーナは、7月から床の工事に入り10月ごろまで利用できない。

 管理費や修繕費を捻出するために、園内の池の水草処理や石碑の清掃などをスタッフの手で行い節約に努めている。福島所長は「県も整備を一生懸命やってくれているので、工夫してやれることは自分たちでやっていきたい」と話した。
 (沖田有吾)