キングス、Bリーグの王者に CSファイナル第2戦 千葉Jに連勝で初優勝決める 桶谷HC「沖縄に優勝トロフィー持ち帰ることできた」


この記事を書いた人 琉球新報社
キングス―千葉J 初優勝を決め、喜ぶキングスの選手たち=27日、横浜市の横浜アリーナ(小川昌宏撮影)

 プロバスケットボールBリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)ファイナル(決勝)の第2戦が28日、神奈川県の横浜アリーナで行われ、琉球ゴールデンキングス(西地区1位)が88-73で千葉ジェッツ(東地区1位)に勝利し、CS決勝2連勝で悲願の初優勝をつかんだ。これまでBリーグの王者はすべて東地区のチームが獲得してきたため、キングスは史上初めて西地区のチームとしてBリーグの頂点に立った。

 優勝インタビューで桶谷大ヘッドコーチ(HC)は「今年の千葉Jは史上最強で、100%の力を発揮しないと勝てない相手だった。打ち破るためにゲームプラン通り選手が頑張った。(準優勝に終わった)去年の悔しさがあったからこそ、ここで勝つためにみんなが頑張れた」と歴史に残る激戦を制した選手の奮闘をたたえた。横浜に駆け付けた大勢のブースターや沖縄で応援するファンに向けて「バスケットを通して沖縄を元気にするという中で僕らはバスケットをしている。優勝トロフィーを沖縄に持って帰ることできてすごくうれしい。沖縄の皆さんおめでとー!」と声を張り上げた。

キングス―千葉J 第1Q、懸命なディフェンスを見せるキングスの今村佳太(中央左)ら=27日、横浜市の横浜アリーナ(小川昌宏撮影)

 試合は前日に続く熱戦となった。第1戦を再延長の末に勝ちきって勢いに乗るキングスは、第2戦も試合開始から主導権を握った。エースの今村佳太が積極的にショットを放ち、ジャック・クーリーが気合の入ったリバウンドでゴール下を制した。

 2Qまでに40-31と前半をリードして折り返したキングスだったが、後のない千葉が第3Qで反撃を見せる。富樫勇樹を中心とした千葉の攻撃に一時は逆転を許し、競り合いの展開となる。だが、キングスはコー・フリッピンの3点弾ですかさず再逆転すると、牧隼利が要所で得点を決めるなど、前日に続きセカンドユニットの選手たちが躍動。流れを渡さなかった。

キングス―千葉J 会場を白く染め、声援を送るキングスブースター=27日、横浜市の横浜アリーナ(小川昌宏撮影)

 最終4Qは沖縄から駆け付けた大勢のブースターの声援が後押しし、優勝に向けて加速した。好調のフリッピンの3点弾やドリブルでの切り込みなどで点差を広げて千葉を突き放し、ついに歓喜の瞬間を迎えた。3月の天皇杯決勝で敗れた千葉への雪辱も果たした。

 キングスは2007年に旧bjリーグに新規参入した。初年度は西地区最下位に終わったが、2008-09シーズンは現在の桶谷HCを招聘し、創設2年目で初優勝を決めた。その後もbjリーグで計4度の最多優勝を経験した。旧bjリーグと旧NBLが統合して誕生したBリーグには発足の2016-17シーズンから参加。2017-18シーズンから6シーズン連続の西地区優勝を果たした。CSでは苦戦が続き、昨季に初めて決勝の舞台まで進んだが、宇都宮ブレックスに敗れ、準優勝に終わった。

キングス―千葉J 初優勝を決め、喜ぶ今村佳太らキングスの選手たち=27日、横浜市の横浜アリーナ(小川昌宏撮影)