翁長3―0判定勝ち ボクシング世界前哨戦


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
10回、ガードの隙間からフックを浴びせる翁長吾央(左)=豊見城市民体育館(普久原裕南撮影)

 国際ボクシング連盟(IBF)世界スーパーフライ級11位の翁長吾央(大橋)は15日、豊見城市民体育館で世界王座挑戦の前哨戦としてジョナス・スルタン(フィリピン、東洋太平洋5位)と対戦し、3―0の判定で勝利した。

試合の序盤は慎重な試合運びが目立った翁長だったが、中盤からボディーを攻めて勢いに乗った。最終10回には相手の猛攻を受けたが、翁長も応戦して判定勝ちにつなげた。翁長は来年3月、県内で日本王座戦か東洋太平洋王座戦に挑む予定。スーパーフェザー級8回戦では小谷将寿(琉球)が1回KO勝ちした。

◆最終R 強打連発/沈められず、不満残す
 最終の10回、翁長吾央(大橋)がギアを上げた。勝負を決めようと畳み掛けてきたスルタン(フィリピン)にストレートを浴びせられた直後だった。
 「相手がやってやるという顔をしていたので、この野郎と思った」。闘争心に火が付くと、強烈なボディーなどを連発して相手を圧倒した。結果は3―0。判定で寄せ付けなかったが、「(KOで)倒したかったので悔しい」と満足していなかった。
 世界王座挑戦に向けた第一歩となる試合で、「負けられない」との気持ちが強かった。1回は相手の動きを見極め、距離を詰めてきたときにカウンターを合わせた。2回、3回と進む中でワンツーを決める場面もあったが、タイミングが合わず大きなダメージは与えられなかった。
 「(攻撃が)早かったり遅かったりしてインパクトが足りなかった」と振り返る。
 しつこくボディーを攻め続けた7回に相手の動きが鈍り、「ピッチを上げたら8~9回までには倒せる」と手応えもあった。それでも最後までマットに沈められず、「弱っていると分かっていたけど」と悔しさをにじませた。
 この日の試合では「相手を探って安全運転しすぎた」と反省材料が多かった。世界王座戦に向けて、今後はさらなる強敵との闘いも待ち構えている。「首の皮一枚でつながっただけ」と勝利にも喜びは控えめで、「もっといい試合ができるようにトレーニングする」と表情を引き締めた。(平安太一)