基地反対民意訴え 島ぐるみ訪米団、市民団体と意見交換


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
(左から)呉屋守将団長、高里鈴代共同代表、吉川秀樹共同代表

 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】沖縄「建白書」を実現し未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議の訪米団(団長・呉屋守将金秀グループ会長)は15日、米カリフォルニア州に到着した。平和団体や労働団体などと意見交換し、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設計画に反対する沖縄の民意を伝え、計画見直しを求めた。訪米団訪問に伴い、アジア太平洋系アメリカ人労働者連合(APALA)は新基地建設に反対し、沖縄県民と連帯する決議を採択した。

 訪米団は真の安全保障のための女性の会(WGS)など七つの米市民団体が開いたフォーラムに参加した。呉屋団長、基地・軍隊を許さない行動する女たちの会の高里鈴代共同代表、沖縄・生物多様性市民ネットワークの吉川秀樹共同代表が登壇し、沖縄の現状を訴えた。
 呉屋団長は沖縄の県民総所得に占める基地関連収入の割合は1972年度に15・5%だったのに対し、2012年度には5・4%まで縮小したことを説明した上で「米軍基地は沖縄の経済発展に支障を来している」と強調した。高里氏は戦後70年間、沖縄では米兵による女性への性暴力が続いている現状を訴えた。
 吉川氏は翁長雄志知事が新基地建設に伴う埋め立て承認を取り消したことを報告した。「米政府は普天間移設問題は『日本の問題だ』と言うが、工事のためのキャンプ・シュワブへの入構許可証を発行している」と述べ、米国も当事者であることを強調し、許可証を発行しないよう米政府に働き掛けるよう求めた。
英文へ→All Okinawa Council delegation to US meets with citizens’ groups, conveys opposition to base construction