直接支出交付金 辺野古受け入れへ


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 【名護】米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市辺野古区で18日、行政委員会が開かれ、同区と隣接する豊原、久志の3区(久辺3区)に政府が市を通さずに直接支出する交付金について報告があった。複数の委員によると、区として交付金を受け入れる方針で、委員の多くは受け入れを前提に意見を交わした。一方、受け入れに反対する委員もいた。

 複数の出席者によると、会では3区への直接交付金の報告があった。委員らからは受け入れの条件として区が掲げていた個別補償の実現可能性や「1千万円という額で(振興が)終わりなのか」との質問があったほか「受け入れるべきじゃない」と反対する意見も上がったという。
 指摘に対し、嘉陽宗克区長からは政府が地元の振興策に全面的に取り組む考えであることの報告があり、政府による地域振興は今回の交付金だけではないとの見通しが示されたという。
 行政委員の1人は取材に対して「交付金を受け入れないと地域の振興ができない。今回の交付金は始まりにすぎず、振興はこれからだ」と述べた。一方、別の委員は「交付金は政府による地元の懐柔策だ。受け入れるべきではない」と話した。