海保に「過剰警備やめて」 ヘリ基地反対協、けが続出で訴え


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海上保安庁に「拘束時に警備の範囲を超える行為を慎んでほしい」と訴えるヘリ基地反対協議会の仲本興真事務局次長(右端)=21日午前、名護市辺野古漁港そばのテント

 【辺野古問題取材班】ヘリ基地反対協議会の仲本興真事務局次長らは21日、新基地建設に抗議するカヌーメンバーが海上保安官に拘束される際、けが人が相次いでいる事態を受け名護市辺野古漁港そばのテントで会見した。海上保安庁に対し「警備の範囲を超えた行為を慎んでほしい」と訴えた。

 ヘリ基地反対協は海上抗議中、非暴力に徹しているが、一部の保安官が拘束時にカヌーメンバーを海に沈めたり、力ずくで押さえ付けたりしていると指摘。20日に海保のゴムボートにしがみついた際に、保安官に何度も海に沈められたという冨田正史さん(63)は「溺れてしまうかと思った」と語った。
 18日の海上抗議行動では、抗議船船長が4人の海上保安官に押さえ込まれ、意識朦朧(もうろう)となり嘔吐(おうと)した。20日にはカヌーメンバーの男性1人が首を絞め付けられ、頸椎(けいつい)捻挫と診断された。
 海保の過剰警備に仲本次長は「話せる保安官もいるが一部に手荒なことをする者がいて恐怖を感じさせている。過剰警備をやめてほしい」と語った。今週にも中城海上保安部に申し入れるという。
 21日の海底掘削調査は天候悪化により午前中で終了した。米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、移設反対の市民らによる座り込みを機動隊が排除する間に、工事関係車両約20台が基地内に入った。