「大人は皆、応援団」 安岡中の父母、教員、歌でエール


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 那覇市立安岡中学校(比嘉俊博校長)の校内合唱コンクールの企画で、保護者や教員、地域の民生委員児童委員らが舞台に上がり、客席の全校生徒に向けて「歌のエール」を送る取り組みが話題を集めている。14日に浦添市てだこホールで開かれた合唱コンクールでは、総勢170人が生徒一人一人を大切に思う気持ちを込めた2曲を披露。大人たちの思いは歌声に乗って生徒たちの胸に届き、会場は温かさに包まれた。

大人たちが生徒への思いを込めて歌のエールを贈った安岡中学校の合唱コンクール=14日、浦添市てだこホール

 「歌のエール」は2013年度に赴任した比嘉校長が発案した。今回は「世界に一つだけの花」、合唱と男性教員らによる手話で構成した「糸」の2曲を披露。事前練習を重ねた人も、会場での呼び掛けに応じて舞台に上がった人もいた。比嘉校長が指揮、心を一つに歌った。
 客席の生徒らには、温かな笑顔が広がった。生徒会長の太田智也君(15)や副会長の徳富愛佳さん(15)、神谷蓮太郎君(15)は「すごく盛り上がった」「泣いている子もいた。心が温かくなった」と語った。
 安里喬之PTA会長は「恥ずかしさもあったが、子どもたちの気持ちを理解することにつながる取り組みだ」と強調。3年間、伴奏した保護者の大田智子さん(48)は「娘もクラスで伴奏を担当した。3年間、一緒に同じ時を過ごせた」と感慨深げだった。
 比嘉校長は「さまざまな思いで学校生活を送る生徒たちに『大人はみんなの応援団だよ』というメッセージを舞台上から送りたかった」と意図を説明した。