マイナンバー通知10万通、本人に届かず 全発送の16%


この記事を書いた人 田盛 良一
郵便局から市町村に移管されたマイナンバー通知カードを整理する職員=1日、うるま市みどり町の市役所本庁舎

 11月中に県内全世帯に届く予定だったマイナンバー通知カードの簡易書留について、受取人不在などで約10万通が戻ってきていることが1日までに本紙の調べで分かった。県内の全発送数約62万通のうち約16%が本人に届いていないことになる。受取人不在などで差出人の市町村への返送が相次いでいるほか、内訳を把握している市町村で少なくとも66人が受け取り拒否だった。日本郵便沖縄支社によると、配達が完了したのは全発送数の約60%に当たる約37万通で、今後も返送が増える可能性がある。

 政府は2016年1月に運用を開始するため、11月中に全世帯へ届ける予定だった。だが、郵便局への搬入の遅れから当初の配達日程に遅れが生じたほか、受取人不在が相次ぐなど混乱が相次いでいる。
 各市町村は受け渡しのために簡易書留の整理などに追われているが、不在や転居で届かなかった場合は、年内にカードを受け取れない事例も出そうだ。
 簡易書留は、受取人不在や住民票と実際の住所が合わない場合、郵便局で1週間保管する。受け取りがなければ各市町村に返送される。総務省は市町村での保管期限を「90日」としているが、その後の保管の継続などについては市町村ごとで対応策を検討している。
 本紙のまとめによると、11月30日までに各市町村に郵便局から返送されてきた簡易書留は約4万1700通。日本郵便沖縄支社によると、同30日時点で郵便局で保管しているのは約5万8千通。
 マイナンバー制度導入を推進する総務省住民制度課は「各自治体にはマイナンバーの通知カードを受け取りに来るよう住民に来庁を促すことを求めている」と説明している。受け取り拒否や1月の運用開始までに受け取れない住民が相次ぐことも予想されるが、同課は「個人番号自体は既に国民に付けられている。制度運用自体に支障はない」としている。