引き取り運動「報道を」 高橋氏、県外メディアに要望


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講演で在沖米軍基地を県外が引き取るべきだと主張する高橋哲哉氏=2日、東京の日本記者クラブ

 【東京】著書「沖縄の米軍基地『県外移設』を考える」で、在沖米軍基地を県外で引き取るよう主張する高橋哲哉東京大学大学院教授(哲学)が2日、日本記者クラブで講演し、記者ら61人が参加した。

高橋氏は「日米安保の恩恵を受ける受益者は本土だが、基地負担は沖縄に負わせている」と指摘した。その上で「日米安保を選んだ政治的責任を取って、米軍基地は本土が負担すべきだ。それでこそ安保が必要かどうか本格的に議論できる」と述べた。
 高橋氏は日米安保条約批准時、国会に沖縄からの国会議員はいなかったことなどを挙げ「日米安保は沖縄以外の本土の政治的選択だ」とし、沖縄が選んでいない政治的選択の結果、国土面積の0・6%の沖縄に73・8%が集中している状況を「現在の安保体制の根本的な矛盾が生じている。民主主義的な原理にも反する差別的状況だ」と述べた。
 会場から「メディアは『政府と県は話し合うべき』などと書くが、そこから先をどうするか日々悩む」との質問が出て、高橋氏は「大阪、福岡で基地引き取り運動が出ている。メディアは市民の動きを報じて、世論に風穴を開けてほしい」と要望した。
英文へ→Takahashi wants Japanese media to report on movement for mainland to accept bases