進さん「忘れないで」 平良とみさん告別式 900人別れ惜しむ


この記事を書いた人 志良堂 仁
900人の参列者が見送った平良とみさんの告別式=8日、那覇市のサンレー那覇北紫雲閣

 6日に87歳で亡くなった女優の平良とみさんの告別式が8日、那覇市のサンレー那覇北紫雲閣で執り行われた。友人やファンら約900人が訪れ、「おばあ」として親しまれたとみさんに「ありがとう」「忘れない」と別れを告げた。所属事務所エーシーオー沖縄の下山久代表(68)は「とみさんらしい『ちゅら葬儀』だ」と話した。

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 遺影のとみさんはいつもの満面の笑み。とみさんの語りを入れたCD「その日」のジャケット写真が使われ、CDも流された。人を愛した優しい人柄から法名は「淨誠院釋優愛(じょうせいいんしゃくゆうあい)」となった。


 喪主の夫進さん(80)は「二人三脚で沖縄(うちなー)芝居の道を生きてきた。つらく寂しいが、とみが芝居に懸けた思いを無駄にせず頑張っていきたい。写真を見ると今にも語り掛けてくるような気がする。これからも平良とみを忘れないで」と涙をこらえあいさつした。

 とみさんが出演した演劇「洞窟(ガマ)」を演出した幸喜良秀さん(77)は「戦争を生き抜いて沖縄芝居をつないでくれた。今度は私たちが次の世代につなぐ」と力を込めた。
 「その日」を一緒に作ったしゃかりのチアキさん(43)は「いずれ天国でコラボレーションしたい」。
 とみさんがときわ座在籍時に地謡をした照喜名朝一さん(83)は「『あの世でも芝居を見せて』と遺影に語り掛けた。宝物を失った」と惜しんだ。
 稲嶺恵一元知事らも参列した。お骨を抱いた家族が式場から出ると、参列者は「とみさん、ありがとう」と声を掛けた。