辺野古新基地護岸、年内にも着手 本体工事の初段階


この記事を書いた人 志良堂 仁

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け、沖縄防衛局が年内にも埋め立て本体工事の初段階となる海上の護岸工事に着手する方針であることが14日までに分かった。複数の政府関係者が明らかにした。来年以降に行う護岸本体の建設を前に、まずはその土台となる「捨て石」を海中に投入するなどの作業を行うとみられる。これに先立ち海上作業の開始に向けた汚濁防止膜を周辺海域に設置するため、これを固定する大型コンクリートブロックを今週中にも海中に順次投下する。

 県や地元名護市が中止を求める中の海上作業着手に対し、県民からの強い反発が予想される。
 政府関係者は護岸工事の開始時期について「政治的な判断で決まる」としており、流動的な要素も残る。ただ態勢としては年内に護岸工事に着手できるよう準備を進めている。
 護岸本体の底を敷きならすために投下する「捨て石」は県内から調達する計画。
 一方、防衛省幹部は護岸工事に先立つ汚濁防止膜の設置と、その固定のための大型コンクリートブロック投下については「海象条件が整い次第、速やかに行う」と述べた。防衛省は今週中に投下したい考えだが、悪天候のため来週以降にずれ込む可能性もある。
 防衛局が周辺海域にコンクリートブロックを載せた作業船を搬入したことから、県側は投下する地点の詳細やブロックの重量などを報告するよう求め、これらが「確認されるまで」は投下しないよう同局に求めていた。
 一方、防衛局は10日付で県にこの回答文書を送付したとして、投下に踏み切る方針。