「多才な朝薫描く」 史劇「火城」 作者ら意気込み語る


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琉球史劇「火城」について語る(左から)与並岳生さん、玉城盛義さん、津波盛廣さん、古塚達朗さん=3日、那覇市の県立博物館・美術館

 2016年1月17日に上演される琉球史劇「火城(かじょう)―琉球国劇『組踊』誕生」のプレイベントとして、フォーラム「王朝文化への誘(いざな)い」が3日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。関係者による討論で、作者の与並岳生(よなみたけお)さんは「玉城朝薫は組踊をつくったという視点からのみ紹介されてきた」と指摘。本作では朝薫が任命された那覇港のしゅんせつ工事も描き、「多才な人物だと紹介したい」と話した。

 「火城」は首里城から帰る冊封使を送るため、たいまつをともした道のことをいう。演出の津波盛廣さんは「火城のシーンでは幻想的な世界をつくりだしたい。冊封の式典を演じるのも見どころになる」と意気込んだ。
 朝薫役の玉城盛義さんは「朝薫は大きい存在で演じるのは重たい。今までと違う大胆ではつらつとした朝薫を演じたい」と語った。古塚達朗(たつお)那覇市文化財課長は芝居の時代背景を解説し、「この芝居や組踊を若い世代に見てほしい。朝薫に学び、次代に伝える懸け橋になる」と期待した。崎山律子さんがコーディネーターを務めた。
 那覇高校2年の久貝友里菜さん、比嘉千里さんは朝薫や蔡温、程順則らが活躍した時代について調査報告した。「火城」は那覇市民会館で午後3時開演。入場無料だが整理券が必要。問い合わせは那覇市文化協会(電話)098(861)1909。